「ドラえもん映画はつまらなくなった」。こんな声をチラホラ目にします。なぜつまらないと感じるのか。その理由を考察してみました。
ドラえもん映画 つまらなくなった6つの理由
ドラえもん映画は、1980年公開の「のび太の恐竜」から現在まで毎年公開されています。長い歴史の中で、「昔と比べてつまらなくなった」と感じる人は多いようです。つまらないと感じる理由は大きく6つありました。
- ①「焼き直しにしか見えない」
- ②「プロ声優を使わないから」
- ③「F先生亡き後の映画がつまらない」
- ④「自分が成長した」
- ⑤「感動描写が露骨すぎる」
- ⑥「マイルドになった」
①「焼き直しにしか見えない」
ドラえもん長編映画のリメイク、悪くないんだけど原作に無い時間伸ばしのシーンが多すぎてコレジャナイ感がある。
— レニングラド (@reningrado) 2018年9月18日
一つ目のつまらなくなった理由は、「焼き直しにしか見えない」。
第2期のドラえもん映画は、第1期のリメイク作品が多く制作されています。第2期の映画1作目「のび太の恐竜2006」から始まり、「のび太の新魔界大冒険」「新・のび太の宇宙開拓史」などなど。第2期という性質上、仕方のないことかもしれませんね。
「新・のび太と鉄人兵団」など、リメイクでも評価の高い作品もあります。ですが、オリジナルと比較されてリメイク作品は評価が低くなる傾向にあります。印象的なのは、「追加要素がいらない」「蛇足」「コレジャナイ感」などの声。オリジナルから加えた新要素が、低評価の声を加速させている印象を受けます。
オリジナルが名作だからこそのリメイク。ですが、オリジナルのハードルが高すぎて超えられてない印象の強い作品が多々あります。ハードルを超えようとして加えた要素が足を引っ張っているのかもしれません。
表現の規制が厳しくなり、より子供向けに制作しなければならない時代。第2期ドラえもんに立ちはだかる壁は大きくなりつつあるようです。
②「ゲスト声優が下手」
映画ドラえもん「翼の勇者たち」を見ていて、下手っぴな芸能人声優いるな?誰だ?と思ったら知念さんでオォウ…となった。テーマソングも担当だったのか。劇場版コナンといい、ドラえもんといい、芸能人のゲスト声優起用システムが無い頃の作品の方が楽しく見られるな…(´・ω・`)
— ぴろ (@pirochitose) 2018年4月20日
二つ目のつまらなくなった理由は、「ゲスト声優が下手」。
ドラえもん映画では、第1期の後半から第2期にかけて、芸能人や芸人などのゲスト声優の起用が毎回のように行われています。このゲスト声優起用に難を感じる人は多いようです。
声優としてトレーニングを重ねたプロ声優ではなく、プロモーション・宣伝効果重視の芸能人・芸人の声優起用。中には声優顔負けで上手い方もいますが、ほとんどは正直微妙に感じてしまいます。
ゲスト声優を起用することで宣伝の幅も広がり、見てくれる方が多くなるのは事実。ですが、あまりに声優が下手だとそればかりが気になって本編に集中できなくなります。脇役ならまだ良いですが、メインキャラクターにゲスト声優を起用することも多く、気になる方は致命的に気になってしまいます。
ゲスト声優の起用は、ドラえもん映画だけでなく、アンパンマン、コナン、ディズニーなどアニメ映画全般で行われています。この流れを受け入れるしかなさそうですが、「プロ声優だけにしてほしい」「つまらなくなった」と感じてしまう気持ちにも共感を覚えてしまいます。
③「F先生亡き後の映画がつまらない」
(しつこくドラえもんの話)藤子F不二雄先生が生きていたらこういう話を作っただろうかと考えながら映画を観ていたのでその辺につまらなくなった原因があるのかと思います。今のドラえもんは私の中ではオワコンとなってしまいました。
昔の大長編ドラえもんの原作が読みたくなりました。— じょうじ (@joji0980) 2013年3月31日
三つ目のつまらなくなった理由は、「F先生亡き後の映画がつまらない」。
ドラえもんの作者「藤子・F・不二雄」。ドラえもんを生み出し、アニメの脚本、映画の原作・脚本も担当されていました。ドラえもんの全てを支えていた存在でした。
そんな藤子・F・不二雄先生は、1996年に亡くなられています。遺作となったのは、第1期の18作目「のび太のねじ巻き都市冒険記」。これ以降は、他に脚本家を立てて映画が製作されるか、リメイクをするかの二択。
先生の生前の作品と、没後の作品では、やはり評価は分かれてしまいます。さらに、2006年に声優が一新したことも、第1期世代からの「つまらなくなった」という声を加速させている一因といえそうです。
Amazonのレビューを見ても、原作なしのオリジナル脚本は評価が低くなる傾向にあります。リメイクをすれば、オリジナルと比較されて低評価。原作なしで挑んでも低評価…。第2期ドラえもん映画は、色々な意味で逆境の中にいます。
④「自分が成長した」
「ドラえもんの映画って年々面白くなくなってる気がするよねー」って私が言ったら
父親に
「それだけお前が成長したってことだよ。」って言われた。っていうのを不意に思い出して少し泣きそうになった。
— 宮城のはまのさん (@mnst_hamanote) 2017年1月3日
四つ目のつまらなくなった理由は、「自分が成長した」。個人的に一番共感した理由がコレ。
ドラえもんの、メインターゲットは子供。漫画もアニメも映画も子供に向けられた内容となっています。そのため、子供の頃には楽しいと感じていたものが、大人になるにつれて「つまらなくなった」と感じる。
作品の出来は関係なく、「つまらなくなった」と感じるのは自分が成長したから。ものすごく納得の理由です。ドラえもんは、50年近く続く長寿シリーズ。子供が大人になって、中年になるまで続くシリーズです。
成長するにつれてつまらなく感じるドラえもん映画。長寿シリーズならではの理由といえそうですね。
⑤「感動描写が露骨すぎる」
ドラえもん映画露骨に感動とかにもってこーもってこーって感じで面白くないなぁ。
— 悠里 (@yuri6240) 2014年7月6日
五つ目のつまらなくなった理由は、「感動描写が露骨すぎる」。
全ての作品がそうだとは言えないし、感動描写が成功している例もあります。ですが、中には感動描写が露骨すぎて「感動の押し売り」のように感じる作品もあります。あまりに露骨すぎると、冷めて萎えてしまいますよね。
特に「感動描写の露骨さ」が言われているのは、「のび太の人魚大海戦(2010)」。のび太たちが、海で人魚族の姫・ソフィアと出会って冒険するという内容。このソフィアに感情移入できず、感動できなかったという声がいくつも投稿されています。
キャラクターの作り込みや描写が浅く、感情移入できていない状態での感動描写。そんな状態で感動描写を作られても”押し売り”と思ってしまいます。観客の感情とシーンとの間でギャップが生じているようです。
感動描写が多くなったのは、「のび太と鉄人兵団」「のび太の恐竜」などの感動路線の作品が人気になっているという背景もあるのかもしれません。2016年の映画「STAND BY ME ドラえもん」が公開された時も、「ドラ泣き」という言葉で感動路線を売りにしていました。
感動路線の作品が増えたことで、ウンザリしている観客も増えたのかもしれませんね。
⑥「マイルドになった」
最近のドラえもん映画は怖くなくなったよね
— ◆モブなこんごう◆ (@kongunokenZ) 2016年3月20日
六つ目のつまらなくなった理由は、「マイルドになった」。
もっと具体的に言うと、怖い描写、怖いシーンが少なくなったという声ですね。第1期のドラえもん映画は、大人でも怖くなるシーンや描写が多々ありました。のび太がドロドロに溶けて死んだり(のび太と夢幻三剣士)、ドラえもんが拷問されて壊されたり(のび太のブリキの迷宮)…。
今では規制がかかるような衝撃的な展開が存在していました。そんな不気味な雰囲気を楽しんでいた人にとっては、第2期のマイルドで明るい雰囲気のドラえもんは、「つまらなくなった」と感じてしまいます。
子供向けに特化したのか、規制が厳しくなったのか。マイルドになった理由は色々ありそうですが、ギョッとするシーンが少なくなったのは事実です。子供は見やすくなったのかもしれませんが、大人としては物足りなく感じてしまうようです。
まだまだある!つまらなくなった理由【感想まとめ】
ドラえもん映画がつまらなくなったと感じる声は、ネット上に多数投稿されています。そんなネットの声を集めてみました。
「つまらなくなった」という感想の多くは、第1期のドラえもん映画を知っている世代です。やはり1期と比較して「つまらなくなった」と感じる人がほとんどのようですね。
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