「ドラえもん」最大の矛盾を紹介していきます。子供向けのSF漫画なので、多少の矛盾は仕方のないところ。ですが、物語の根幹を揺るがす矛盾点があります。
それは、のび太の子孫にあたるセワシくんにまつわる問題です。
ドラえもん最大の矛盾「セワシが生まれない」
引用元:Twitter
そもそもセワシくんとは?誰の子?
「ドラえもん」の物語の起点にもなっているセワシくん。のび太の子孫で、孫の孫にあたります。(のび太から数えて5代目)。
22世紀の未来からドラえもんと一緒にタイムマシンで現代にやってきました。ドラえもんとのび太を引き合わせた重要人物です。セワシくんがいなければ、「ドラえもん」の物語は始まりません。
そんなセワシくんですが、重大な矛盾点を抱えています。
野比一族の未来を変えるためにやってきたセワシくん
セワシくんの目的は、「野比家の未来を変える」こと。セワシくんによれば、大人になったのび太は事業に失敗して借金を抱えてしまいます(就職活動に失敗して、会社を立ち上げるも社屋が全焼。多額の借金を抱えてしまうという経緯)。
のび太の遺した借金は、約150年経過した今でも、まだ返済が残っているというのです。
一族が貧乏なため、セワシくんはお年玉を50円しかもらえない。そんな貧乏な一族の未来を変えるために、セワシくんはドラえもんを過去に派遣して一族の未来を変えようとしています。
のび太の人生を変えることで、自分を含めた一族の未来を変えようとしているんですね。
ジャイ子と結婚する未来から、しずかと結婚する未来へ
では、どのようにのび太の人生を変えていくのか。セワシくんは、のび太の結婚相手を変えて人生を変更しようとしています。
セワシくんによると、のび太はジャイアンの妹・ジャイ子と結婚する予定になっています。そして、二人の子孫がセワシということになっています。
セワシくんは、のび太の結婚相手をジャイ子ではなくしずかに変えることでのび太と野比一族の未来を好転させようとしています。そのサポート役として、ドラえもんをのび太の側に置いておこうというのです。
ジャイ子と結婚すれば多額の借金を負う未来が待ち、しずかと結婚すれば輝かしい未来になるというのです。
セワシくんは、のび太の人生を変えることで一族全体の未来を改変しようとしています。ここに「ドラえもん」最大の矛盾点が生まれています。
のび太とジャイ子の子孫であるセワシくんは生まれないのでは?
のび太とジャイ子の間に生まれた子孫がセワシくん。のび太の結婚相手をジャイ子からしずかに変更することで、セワシくんは存在しないことになります。のび太もその点を指摘していました。
のび太の指摘はごもっともですよね。セワシくんはのび太とジャイ子の遺伝子から生まれた子供なので、のび太としずかが結婚すれば生まれない存在ということになります。この矛盾点に対してセワシくんは、以下のように説明しています。
たとえば、きみが大阪へ行くとする。いろんな乗りものや道すじがある。だけど、どれを選んでも、方角さえ正しければ大阪へ着けるんだ。
時間の流れを、東京と大阪間の移動を例にとって「道すじ(のび太の結婚相手)は違っても方角さえ正しければ大阪(セワシ)へたどりつける」と説明しています。かなり強引な理論ですよね。ネットではセワシ理論と呼ばれて疑問視されています。
のび太とジャイ子の遺伝子から子孫が受け継がれた結果、セワシくんが生まれるのであって、しずかとのび太の遺伝子では別の子孫が生まれるのではないかという矛盾を感じます。
セワシには1/16ジャイ子の血が入るからOK
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上の画像は、「ジャイ子と結婚したルート」「しずかと結婚したルート」の家系図です。
原作で説明されているセワシ理論によると、のび太としずかが結婚する未来では、二人の息子・ノビスケがジャイ子の娘と結婚することになります。そうすることで、セワシにとってはどちらになってもジャイ子は祖母の祖母となります。
どちらの未来でも、ジャイ子の血が1/16入っているので自分が生まれてくるという説明ですね。
ただ、ジャイ子と結婚するルートでは、しずかの血は入っていないことになります。しずかと結婚するルートでは、ジャイ子の夫の血が入っていることになります。
「結局、二つのルートでは遺伝子の構成が違うのでは…」。そう考えると、やはりセワシくんの理論は矛盾をはらんでいると考えてしまいます。
セワシくんの矛盾を解消する有力な説
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「パラレルワールドなのではないか」「歴史の修正力が働くのではないか」など、セワシくん理論の矛盾を考察する説はいくつもあります。その中で個人的に最も納得いった説を紹介します。
セワシくんが嘘をついている説
セワシ理論の矛盾点を解消する説の中で、最も納得がいく説が「セワシくんが嘘をついている」というもの。
セワシくんの説明によると、のび太とジャイ子が結婚することになっているといいます。そして、しずかとのび太が結婚する未来に変えようとしています。ここで矛盾が生まれているのですが、全ての説明が嘘だったとすれば矛盾は解消されます。
本当はのび太とジャイ子が結婚する未来などなく、しずかとのび太が結婚する未来しかない。そう考えると矛盾は無くなります。セワシくんが生まれないのではないかという疑問も解消できます。
のび太とジャイ子が結婚する写真も存在しますが、未来の技術を使えば偽物を作り出すことは簡単です。
ここで新たな疑問点が浮かび上がります。「なぜセワシは現代にドラえもんを連れてきたのか」。のび太の未来を変えるという目的ではないとすれば、他にどんな目的があるのか…。
セワシが現代に来た本当の意味
セワシくんが現代に来て、ドラえもんとのび太を引き合わせた本当の目的。考えられる目的を挙げてみます。
目的①「ドラえもんを処分したかった」
不良品で故障の多いドラえもんを処分したかったのではないか。耳もかじられてなくなっており、他にも故障個所の多いドラえもんが不要になって、現代に捨てにいったのではないかという説です。
22世紀の未来で製造されたネコ型ロボットのドラえもん。トーキョーマツシバロボット工場で生まれます。ですが、不良品として判定されてジャンク品と一緒に特売品として売られます。
それを買ったのが、セワシくんのいる野比家。購入したのが2115年1月19日。タイムマシンでのび太に会いに行ったのが2123年4月5日です。購入から8年以上経過しています。新しいロボットの購入を検討していたと考えても不思議ではありません。
感情の機能も搭載されているロボットなので、単にスクラップにするには気が引けたのかもしれませんね…。そう考えると、ドラえもんがかなり切ない存在に見えてきます。
ドラえもんの後釜は、やはりドラミちゃんということに…。
目的②「もっと重大な任務があった」
この説はちょっとぶっ飛んだ説です。セワシは実は政府機関のエージェントで、「のび太の結婚相手を変える」という目的ではなく、もっと大きな歴史改編の任務を抱えていたのではないかというもの。
ドラえもんとのび太を出会わせることで、歴史を大きく変える。実際、のび太はドラえもんと一緒に行動することで、現代ではあり得ない出来事を引き起こしています。
- 6500万年前に落下した彗星から恐竜を救う
- 絶滅したモアやドードーを別の島に移住させる
- 江戸時代の悪い殿様を改心させる
- 文明を作り上げる
映画「のび太と雲の王国」では、人類の滅亡を救ったこともあります。セワシくんが現代にドラえもんを連れてこなければ、人類はそのまま滅亡していたかもしれません。
セワシくんは、地球を救うためにドラえもんを現代へつれてきた。本来の目的を伝えないのは、そうすることでまた未来が変わるから…。ちょっと強引なようですが、一つの説としては考えられそうです。
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