ドラえもん最終回 のび太植物人間説【作者コメントあり】

ドラえもんの最終回「のび太植物人間説」をご存知でしょうか。1986年から2000年代にかけて流行したドラえもんの都市伝説です。その内容は、目をそむけたくなるほど切ない内容でした…。

 

「のび太植物人間説」は、子どもの噂から始まり都市伝説化。最終的には作者が正式にコメントを発表するほどの事態に陥ることになります。

 

どんなストーリーなのか、なぜここまで噂が広まったのか、そのあたりを解説していこうと思います。

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ドラえもん最終回 のび太植物人間説【動画あり】

ざっくり紹介!のび太植物人間説とは?

巷で流れるドラえもん最終回の都市伝説の一つ「のび太植物人間説」。どういう説なのか、ざっくりと紹介しますね。

 

植物人間説はこんな話
  • ドラえもんたちとの日常、冒険は全てのび太の夢
  • のび太の正体は、幼いころに事故で植物人間となった老人
  • ドラえもんたち仲間を作り出して、妄想の中で生きている
  • 全てはのび太の願望であった

 

のび太植物人間説をざっくりと説明するとこんな感じですね。かなり切ない内容ですよね。ドラえもんたちは妄想で、のび太は老人。救いがない最終回です。

 

あまりに切なく悲しい内容。これがドラえもんの最終回とは思いたくないですね。

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あらすじ

いつも通りの日常

物語は、いつもの日常から始まる。家にはドラえもんがいて、学校にはジャイアン、スネ夫、しずかちゃんがいる。のび太はいつも通り学校に行き、いつものようにジャイアンにいじめられていた。

 

そして、いつものように泣いて家に帰りドラえもんに助けを求める。誰もが見たいつも通りの日常である。

 

のび太自身が「いつも通り」に感じていた。そんな日常の中、のび太はある決心をする。

 

自分に苛立つのび太

ジャイアンにいじめられて、いつもドラえもんに助けてもらう。ドラえもんがいなければ、何もできない。のび太は、そんな自分にいら立ちを感じていた。そして、一つの決意を固める。

 

「今日からは自分のことは自分で解決する」

 

ドラえもんに頼らずに、自分の力だけで生きようと決心するのであった。過去ののび太自身との決別である。のび太は、この決意をドラえもんに伝えようと思った。

 

しかし、部屋に帰ってもドラえもんはいない。「どら焼きにでも買いに町に出かけているのだろう」。そう思って、のび太はいつも通り昼寝をしようとする。座布団を丸めて枕代わりにするいつものスタイルだ…。

 

ドラえもんがいなくなる

いつものポーズでだらけているのび太。いつまでたってもドラえもんは帰ってこない。待つことに疲れたのび太は、いつの間にか眠ってしまう。目が覚めた時、あたりはもう薄暗かった。

 

それでも、まだドラえもんは帰ってきていない。どら焼きを買いに行ったのであれば、もう帰ってきていないとおかしい。いつもとは違う状況に、のび太は徐々に不安をつのらせる。

 

ドラえもんはなにかトラブルに巻き込まれたのかもしれない。ドラえもんは少しドジなところがあるから。道に迷って帰れないのかもしれない。そう思ううちに周囲はどんどん暗くなっていく。

 

「のび太 ごはんですよ」

 

その時、1階からママの声がした。ママならドラえもんの行方を知っているかもしれない。のび太は、ママにドラえもんがどこに行ったのかを聞くことにした。

 

ママ「ドラえもんって何?」

「ママ、ドラえもんはどこにいったの?」。ママに質問するのび太。しかし、ママはのび太の期待とは全く違う言葉を口にする。

 

「ドラえもんって何?」

 

何故か、ママはドラえもんの存在を知らないのだ。ママの言葉の真意が分からないのび太は、「ドラえもんだよ、ドラえもん。いつもいるじゃない。どうしいちゃったの、ママ?」と聞き返す。

 

しかし、それでもママはドラえもんなど知らないという。ドラえもんの存在自体を知らない口ぶりである。ママがそんな嘘をつくはずもなく、嘘をつく意味もない。

 

のび太は頭が混乱してくる。いてもたってもいられないのび太は、家を飛び出した。

 

存在の消えたドラえもん

のび太は、まずしずかちゃんの家に向かった。もしかしたら、ドラえもんはしずかちゃんの家にいるのではないかと考えたのだ。「ドラえもん来てない?」と聞くのび太。

 

しかし、しずかちゃんは「何それ?ドラえもんってなにかしら?」と答える。しずかちゃんも、ママと同じくドラえもんの存在を知らないようだった。のび太は、ジャイアン、スネ夫の家に行くが、答えは同じ。

 

空き地、学校、商店街など、ドラえもんが行きそうな場所を探して回るのび太。しかし、ドラえもんの姿はない。それどころか、誰一人ドラえもんの存在を知らないのである。

 

のび太は泣きながら家に帰った。

 

なぜドラえもんを知らないのか

ご飯を食べる気にもなれず、部屋で一人で考えていた。「なぜ誰もドラえもんの存在を知らないのか」。みんながドラえもんのことを忘れているのか、それとも自分が幻覚を見ていたのか、もしかすると別世界に来たのではないか…。

 

のび太は、ふとあることに気が付く。

 

机の引き出しをひいてみよう。机の引き出しはタイムマシンの入口になっているから、ドラえもんがいたことの証明になる。そう期待して、のび太は机の引き出しをひいてみる。

 

しかし、そこにあるのはタイムマシンの入口ではなかった。ただ本が入っているだけであった…。

 

ピッピッピッピ

 

絶望するのび太の耳に、ある電子音が鳴り響く。暗かった部屋が明るくなる。白いカーテン、白い壁、そして白い天井。のび太は白い部屋にいた。鳴り響いていた電子音は、ある機械から鳴っていた。その機械は、心拍数を計るものであった。

 

のび太は病室にいた。

 

全てを思い出すのび太

少しずつ状況を理解するのび太。理解するというよりも、思い出していった。もう何年前のことになるだろうか。のび太は幼いころの自分を思い出していた。

 

買ったばかりの自転車に乗るのび太。慣れない運転でふらつく自転車。その時、トラックが自転車をはねた。運よく花壇がクッションとなり、一命はとりとめた。

 

しかし、身体の自由を失ってしまう。それ以降、のび太は植物人間として人生を過ごしてきたのだ。全てを思い出したのび太。

 

その時、病室に一人の女性が入ってくる。「今日はいい天気ですね。カーテンを開けておきますよ。」。白いカーテンがカーテンレールを走る。そして陽射しが部屋の中を一層明るくする。

 

陽射しは、一人の老人の身体を照らす。老人は、身動きがとれないまま天井をじっと見つめる。いつもと同じ風景。いつもと同じ恰好で寝転ぶ老人。これからずっと先も、同じ恰好で天井を見つめ続けるのだ…。

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別解釈!のび太の植物人間説

都市伝説化したドラえもんの最終回「のび太植物人間説」には、チェーンメールとして拡散される中で、様々な説に派生していきます。中には、ハッピーエンドとも思えるような結末になっているものもありますね。

 

以下では、主な3つの派生型を紹介します。基本的には同じですが、物語の結末が異なっています。

 

①ドラえもんが天国へと連れていく

一つ目は「ドラえもんが天国へと連れていく」というパターン。事故にあって、植物人間となってしまったのび太。そんなのび太の前にドラえもんが現れて、どこでもドアでのび太を天国に連れていくというもの。

 

②のび太による作り話

二つ目は、「のび太による作り話」というパターン。実はのび太は心身障害者で、ドラえもんはのび太による作り話というもの。

 

③ドラえもんがのび太の代わりに停止

三つ目は、「ドラえもんがのび太の代わりに停止」というパターン。植物人間となったのび太に、ドラえもんが全エネルギーを注入。のび太を蘇生する代わりにドラえもんが動かなくなってしまいまうというもの。

 

のび太が助かるので、ハッピーエンドといえばハッピーエンドかもしれません。ただ、それでも悲しい結末ですよね。

 

都市伝説化 のび太植物人間説が流行した理由

都市伝説と化したドラえもんの最終回「のび太植物人間説」。繰り返しになりますが、公式の最終回ではありません。あくまで非公式に作られた最終回設定です。

 

気になるのは、なぜここまで流行したのかという点。最初は、子供の噂から広まり、最終的には作者がコメントを出すほどの大きな事態に発展することになりました。

 

以下では、噂が都市伝説となり拡散されるまでの経緯を解説していきます。

 

1986年に流行した噂が元

「のび太植物人間説」は、元々1986年に子どもの間で流行した噂に端を発します。まだスマホもなくネットも普及していなかった時代ですが、かなり大規模な噂となったようです。

 

「この噂は本当か」と、ドラえもんが連載されていた小学館に問い合わせが相次ぐ事態となったようです。

 

病気で入院したことが噂の原因か?

ドラえもん最終回に関する噂が広まった原因は、「作者の入院」ではないかと言われています。たしかに、1986年の夏に作者の藤本氏は入院されています。

 

90年代にチェーンメールで拡散

90年代に入り、「のび太の植物人間説」はチェーンメール化。さらに広がっていきます。実は、私も似たようなチェーンメールを受け取った覚えがあります。当時すでに2000年代に入っていました。噂から20年近くもチェーンメールが出回っていたことになります。

 

長期間にわたって拡散されたため、多くの人が知る都市伝説となったようです。

 

ちなみに、ドラえもんの最終回に関するチェーンメールの中で、特に拡散されたのは2種類。紹介している「のび太植物人間説」と「電池切れ説」です。

 

電池切れ説については、以下の記事で詳しく解説しています。

ドラえもん最終回「電池切れ説」ファンの2次創作だけど感動した…

 

作者のコメント①「不幸な終わり方にはしない」

80年代に噂が広まった時、作者の藤本弘(当時は藤子不二雄コンビ解消前)は正式に否定コメントを出しています。事態の大きさを感じますね。

 

ドラえもんはそのような突然で不幸な終わり方にはしない

引用元:ウィキペディア

 

作者のコメント②「もっと楽しい終わり方にする」

また、このドラえもん最終回について作者の娘が本人に聞いたところ、以下のようにもコメントされています。

 

ドラえもんはそんな終わり方をしない、もっと楽しい終わり方にする

引用元:ウィキペディア

 

上記コメントと一貫するような内容ですね。イチドラえもんファンとしても、ドラえもんの最終回は切なさの残るものではなく、楽しいものであってほしいと思っています。

 

ネットがないからこそ広まったデマ

本記事で紹介してきた都市伝説化したドラえもんの最終回「のび太植物人間説」。最初は子どもの噂から広まったようですね。ネット、SNSが普及した現在では噂が拡散されるのは珍しくありません。

 

だから、ネットが普及していない時代にここまで噂が広がることに驚きを覚えました。子どもの噂の拡散力は恐ろしいものがありますね…。

 

ただ、ネットが普及している現代で同じようなことは起こりにくいかもなぁ、とも思います。というのも、ネットで噂の真偽をすぐに確かめることができるからです。最初は間違った情報が拡散されても、公式がコメントを発表するまでの事態にはならない気がします。

 

ネットが普及していない時代だからこそ、真偽を確かめる方法がなく、噂がどんどんと広がっていったのでしょうね。

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