ドラえもんの最終回「電池切れ説」をご存知でしょうか。ファンの作った2次創作作品なのですが、原作へのリスペクトを感じる感動的な作品です。
本記事では、「電池切れ説」を詳しく解説していきます。「ストーリー」だけでなく、なぜ広く拡散されるようになったのかについても紹介いていきますね。
ドラえもん最終回電池切れ説 ファンの作った非公式最終回だけど感動できる
引用元:Twitter
電池切れ最終回 あらすじ
突然動かなくなるドラえもん
ある日、いつものようにドラえもんに助けを求めるのび太。しかし、何故かドラえもんは動かなくなっていた。未来の世界にいるドラミにドラえもんがうごかなくなったことを報告する。
ドラえもんが動かなくなった理由は、電池切れであった。
電池切れを起こしたドラえもん
のび太は、電池切れをおこしたドラえもんの電池を交換してもらおうとする。しかし、ドラミからは思わぬ問題を聞かされる。電池を交換すれば、ドラえもんは動き出す。しかし、メモリーはリセットされてしまうというのだ。
つまり、ドラえもんを動かすとのび太と過ごした日々の記憶は全て消し去られてしまうという。
開発者は超重要機密事項
ドラえもんと同種のネコ型ロボットは、通常であれば耳にメモリーのバックアップ用のメモリーが内蔵されている。しかし、ドラえもんはネズミに耳をかじられて耳を失っている。
どうにかバックアップを取ろうとするのび太とドラミ。しかし、方法が見つからない。開発者を見つけて解決策を探ろうとするが、何故か開発者の情報は超機密事項扱いで開示されることはなかった。
猛勉強するのび太
のび太は迷った末に、ドラえもんを押し入れにしまい込むことにした。ジャイアン、スネ夫やみんなには「未来へ帰った」とだけ告げた。そして、人が変わったように猛勉強を始める。やがて高校生になったのび太は、しずかや出木杉すらも追い越していく。
のび太は誰よりも先を見据えて勉強に励んでいた。全ては、ドラえもんの記憶を保持したまま目覚めさせるためである。
のび太は、いつしか世界でも有名なロボット工学の第一人者となっていた。しずかと結婚してもなお、研究は続けていた。
ついにメモリーを維持したまま修理することに成功する
ある日、のび太はしずかを自宅の研究室に呼ぶ。そこには、ドラえもんの横たわった姿があった。のび太は、ついに記憶を保ったまま電池交換をする手法を開発したのだ。
のび太は、しずかの前でドラえもんのスイッチを入れる。目覚めたドラえもんは、「のび太くん宿題は終わったのかい!?」と言葉を話しだす。のび太の研究は成功したのだ。
ドラえもんは、あの日のまま記憶を保持したまま目覚めることができた。思わずのび太は、昔のようにドラえもんにだきつく。しずかは、涙を流しながら二人を見つめていた…。
ドラえもんの開発者はのび太自身だった
ドラえもんの開発者の情報が超機密事項扱いだったのは、のび太自身が開発者だったからだった。幼いのび太が、そのことを知ればタイムパラドックスを引き起こしてしまう。現在と未来の間で矛盾が生じてしまうのだ。そのため、ドラえもんの開発者の情報は機密扱いとされ、封印されてきた。
ドラえもんの開発者は、のび太自身だったのだ…。
1人のドラえもんファンが自作の最終回と明記して発表
ドラえもんの最終回とされる電池切れ説。電池切れをおこしたドラえもんを、のび太が猛勉強して研究。ついには、ドラえもんの開発・設計までするという話です。
当初の目的であったしずかとの結婚、そしてのび太自身の成長という物語最大の伏線まで回収されています。さらには、タイムパラドックスというドラえもんっぽいSF要素も組み込まれています。そして、ラストでは感動もできる。
かなりクオリティの高い最終回ですよね。そのクオリティの高さから、一部では「公式の最終回なのでは?」という声が挙がったほど。
「ドラえもん電池切れ説」は、非公式の最終回です。ドラえもんファンが2次創作した物語です。1990年代に自身のWEBサイトで「僕が勝手に考えた ドラえもんの最終回(仮)」として発表。そのクオリティの高さから、瞬く間に広く知れ渡ることとなりました。
当時、この学生は太陽電池の研究をしていたことから「電池切れ説」を思いついたそうですね。
チェーンメールで拡散
ファンの2次創作として生まれた「電池切れ説」は、チェーンメールとして広く拡散。「ドラえもんの最終回」として一人歩きしてしまうという事態に陥ります。私もチェーンメールでこの物語を知りました。
さらに、ドラえもんファンタレントの間でもこのチェーンメールの内容が伝わり、鈴木蘭々などのタレントがテレビ番組内で「最終回は――(のび太発明者説)なんだって」と語ったこともあり、真実味が帯びていったという経緯もあります。
物語を作った作者は、チェーンメール化によって非難を受けるなどしており、一時期ナーバスな状態に陥っていたとコメントされています。
創作者が事態の責任を感じたことから、現在では本エピソードが掲載されたWEBサイトは閉鎖されています。以下は閉鎖時のコメントです。
チェーンメールはまことしやかに流布され、原作に対する権利の侵害、熱心なファンに対する冒涜であり、このような騒ぎになったのは私の責任
引用元:ウィキペディア
ドラえもん電池切れ説 ネットの感想【評価高め】
都市伝説ではないけど、ドラえもんの最終回説の電池切れ説好き
— クネサイダーヤマめい (@sdp_13) 2015年12月1日
有名ですが、ドラえもんの都市伝説の一つ、最終回「電池切れ説」。最近知って感動しました。とても二次創作とは思えない、まるで原作者が描いたかのようです。http://t.co/t31dlaXe
— うりこらびこ@ (@barnard44) 2012年10月11日
ドラえもんの最終回(仮)の電池切れ説読んで号泣してる
— みゃも (@_m_y_a_m_o_) 2014年3月15日
「ドラえもん電池切れ説」のネットの感想をいくつか拾ってみました。どの声も電池切れ説を高評価しています。繰り返しになりますが、「ドラえもん電池切れ説」は、あくまで非公式の最終回。ドラえもんファンによる2次創作作品です。
ただ、いまだに話題にのぼるほど多くの人の印象に残っている最終回でもあります。このチェーンメールが私のもとに回ってきたのも、もう10年以上も前の話。
それなのに、いまだに「電池切れ説」を評価する声が絶えません。ウィキペディアにも掲載されています。非公式の最終回ながらも、ストーリー、絵ともにクオリティが高かったということなんでしょうね。
ドラえもんの非公式の最終回は、実はいくつも出回っていますが、ここまで真実味を帯びた作品は他にありません。個人的にも一番好きな非公式な最終回です。