『名探偵コナン』でメインヒロインである毛利蘭の父親で、コナンのおかげで通称『眠りの小五郎』と呼ばれるようになった私立探偵である毛利小五郎。コミカルな盛り上げ役だけでなく、犯人に対しては厳しい目をして、得意の柔道で犯人を追い詰めるシリアスな部分も見せてくれます。
ただ、普段は探偵としての知識は乏しく、劇中に出てくる歌手の沖野ヨーコのファンで、女と酒とギャンブルが好きで、夫人の妃英理弁護士に逃げられるというダメ親父しかという印象を持ちません。そんなコミカルなキャラクターである毛利小五郎の声優を務めている方々を紹介します。
名探偵コナン 毛利小五郎の声優は途中で交代してる
1996年の放送開始から2009年の548話までは、毛利小五郎の声は神谷明さんが担当していました。しかし553話からは小山力也さんにバトンを受け継ぎ、現在に至っています。神谷さんが降板した経緯はまだ解明されておらず、神谷さんのブログによると「契約上の問題と信・義・仁の問題」と語られています。
おそらくアニメ制作スタッフとのトラブルと、契約上のギャランティが原因で降板につながったのだと思われます。なお、神谷さんは2019年公開の「劇場版シティーハンター」で主人公冴羽獠役として出演され、また降板後もスタッフとの交流や、テレビ番組で毛利小五郎の声を披露する事もあるので、交流関係も良好のようです。
ちなみに2代目の小山力也さんはこれまでコナンのゲスト声優として数多く出演し、2代目・毛利小五郎としてバトンを引き継ぎ、現在に至っております。
初代毛利小五郎声優は、神谷明
神谷 明(かみや あきら)
■生年月日
1946年9月18日生まれ
■出身
神奈川県横浜市
■血液型
A型
■事務所
冴羽商事(主宰)
■主な作品
「ゲッターロボシリーズ(流竜馬)」
「プリンプリン物語(ボンボン、ルチ将軍)」
「キン肉マンシリーズ(キン肉スグル)」
「北斗の拳(ケンシロウ)」
「シティーハンターシリーズ(冴羽獠)」
1970年のデビュー以降、数多くのアニメや吹き替えで主役端役問わず出演されている神谷さん。現在も第一線で活躍をしている大御所声優さんです。北斗の拳のケンシロウ役、キン肉マンシリーズのキン肉マンことキン肉スグル、シティーハンターの冴羽獠をはじめとした、週刊少年ジャンプで掲載された漫画のアニメで主人公役を数多く担当しています。
プリンプリン物語の収録したビデオテープを持っていた
1979年から3年間NHKで放送されていた人形劇『プリンプリン物語』。今でもファンが多くBSで再放送されるなど、高い人気を誇っています。そのプリンプリン物語の第2話から第442話までのマスターテープがNHKに無いというのはご存知でしょうか。
当時ビデオテープというのは大変貴重なもので、放送が済んだテープを再利用しなくてはならず、映像を消さなければならなかったのです。そのためNHKでプリンプリン物語を収録したビデオテープを探してリマスターをした上で再放送をするというプロジェクトを行なっています。
そんな時、2017年に神谷さんが「後世に残す遺産に」と、自身が録画していたプリンプリン物語のビデオテープをNHKに寄贈し、他のスタッフやファンの方々からのビデオをも合わせ、プリンプリン物語が完全に見られる状態となったのです。
現在もプロジェクトの方は進行中で、残りは第265話の一本だけと、欠落回だけとなりました。この記事を読んでいる方で、プリンプリン物語のビデオをお持ちの方は、NHKに問い合わせてください。
映画かいけつゾロリで主人公ゾロリの声は神谷さん?
2004年から放送開始し、現在も不定期に劇場版が制作される原ゆたかさん原作の児童書シリーズ『かいけつゾロリ』。ゾロリの声といえば七色の声を持つ山寺宏一さんが当てているというイメージをお持ちでしょうが、実は1993年7月に劇場短編アニメとして公開され、神谷さんがゾロリの声を担当したのはご存知でしょうか。
1993年7月『それいけ!アンパンマン 恐竜ノッシーの大冒険』の同時上映作として『かいけつゾロリ』が制作。アンパンマンのアニメ制作を手がけている東京ムービー(現:トムス・エンタテイメント)が手がけており、神谷さんはその主人公ゾロリを演じたというのです。
現在この映画はVHSでしか入手が困難であり、視聴も難しいです。しかし、昔のゾロリも見たいという方は、ぜひ根気よく探していただき、視聴していただければと思います。
自身の所属事務所である冴羽商事はシティーハンターから拝借
神谷さんの現在の所属事務所である『冴羽商事』。これは神谷さんがシティーハンターシリーズの主人公冴羽獠役が非常にお気に入りであり、「北斗の拳のケンシロウ、キン肉マンのキン肉スグルのような二枚目と三枚目を併せ持って楽しく演じられたから」と語っているそうです。
ちなみに『冴羽商事』というのはシティーハンターの劇中でも、獠と槙村香が管理している表向きのマンションの管理会社の名前です。神谷さんは使用許可を得るため、原作者の北条司さんにも、「本当に使うのか?」と言われたほどです。愛着のある役を自身の事務所名にするというのは、作品愛が無いと出来ないです。
2代目毛利小五郎声優は、小山力也
小山 力也(こやま りきや)
■生年月日
1963年12月18日
■出身
京都府京都市
■血液型
O型
■事務所
劇団俳優座
■主な作品
「24 -TWENTY FOUR-(ジャック・パウアー)」
「吹き替え(ジョージ・クルーニー)」
「吹き替え(キーファー・サザーランド)」
「吹き替え(キアヌ・リーブス)」
「はじめの一歩(鷹村守)」
神谷さんからバトンを受け継ぎ2代目毛利小五郎役を演じているのは、小山力也さんです。声優としての活動は、洋画の吹き替えがほとんどであり、アニメの声優としてのデビューは1996年OVAで発売された『ふしぎ遊戯』の朱天童役が最初の作品だそうです。
名探偵コナンには毛利小五郎役に抜擢される以外でも、数多くの容疑者や端役として作品に参加されています。
『仮面ライダーBLACK RX』のメインキャラクターとして出演
声優や舞台での活動が多い小山さんですが、それ以前に1988年10月から1年間放送された石ノ森章太郎氏原作の「仮面ライダーBLACK RX」にて、メインキャラクターとなる霞のジョー役として、1年間出演しました。
『仮面ライダーBLACK RX』の特撮以外でも『特警ウインスペクター』や、『ブルースワット』で顔出し出演。また2時間サスペンスドラマに端役で出演するなど、アニメではなく数々のドラマにも出演されています。
ジャック・バウアーネタでものまね番組出演?
『24 -TWENTY FOUR-』のジャック・バウアー役でも有名な小山さんですが、実はパロディで直接オファーを頂いて、バラエティ番組に出演することが多々あります。
2008年4月にフジテレビ系列で放送された『爆笑ものまね紅白歌合戦』でも、ブラックマヨネーズの小杉竜一さん扮するジャック・バウアー役として出演。その後、出演者をいじる芸をするなど観客席と視聴者、司会者も笑いの渦にさせてくれました。
小山さんは、それだけでなく出演イベントでいじり芸を見せるなどのファンサービスを行なっています。こういったバイタリティあふれる精神だからこそ、2代目毛利小五郎が生まれたのかもしれません。
毛利小五郎の声優へのネットの反応まとめ
声優交代からそんなにたった!?
毛利小五郎の声優交代からもう7年も経ってるとか嘘だろ!まだ2、3年くらいのイメージなんですけど!
— あろま (@aromahotExtreme) 2016年4月17日
神谷さんから小山さんに交代したのは、2009年からなのでもう10年近く経っていることになります。アニメというのはどうしてもその人しか認めないというファンがあるので、こういう事がまだ根付いてしまっている風習があるのは、少し難しいかもしれません。
慣れてきた
ドラえもんは声優さんの世代交代してたけど・・・もしコナンの声優さんを交代・・・なんてことになったら泣く(´• _ •̥`)小五郎さんの声にはようやく慣れてきました(´∀`)
— こらん🌸さくら組🌸 (@coran1242ran) 2015年11月27日
最近は『クレヨンしんちゃん』の主人公、野原しんのすけ役が矢島晶子さんから、小林由美子さんに交代されました。
長年やっていくキャラクターに愛着は持っていても、声帯が変化し、声が出ないということもあります。リスペクトしなくてはいけない声優の方も、公認というのは大変ですが、新しい声を受け入れるのも長く作品が続くために避けられない道なのかもしれません。
2代目毛利小五郎とジンが同じ声優なんて…
「名探偵コナン」の毛利小五郎
「HUNTER×HUNTER(第2作)」のジン=フリークス
(小山力也さん) pic.twitter.com/12JoIlkFn4— 同一人物の声優だと聞くと驚くキャラ (@onazi_seiyu) 2018年11月24日
小山さんは、第2作目の『HUNTER×HUNTER』で主人公ゴン=フリークスの父親である、ジン=フリークスとしても出演されています。ちなみに第1作は東地宏樹さんが担当しております。
なお、「名探偵コナン」でコナン達の敵となる黒の組織に、コードネームのジンが登場しますが、あちらは小山さんではなく堀之紀さんが担当しています。お間違いのないように!
まとめ
初期のコナンファンは小五郎といえば、神谷さん。後から入ってきたコナンファンは、小山さんと声が分かれるかもかもしれません。しかし最近は名探偵コナンもオンデマンドで配信しており、2人のコナンの違いが楽しめます。ぜひ、神谷明さん演じる毛利小五郎、小山力也さん演じる毛利小五郎を比べて、作品を楽しむのはいかがでしょう。