アンパンマンの初期の絵本を紹介していきます。原型となった作品から、ばいきんまんが初登場した絵本など、今とは違うアンパンマンを知ることができると思いますよ。
アンパンマン 初期の絵本まとめ
アンパンマンの原型が生まれたのは、1969年。最初期のアンパンマンは、なんとおじさんの姿をしています。
そこから、徐々に現在のアンパンマンの姿へと変わっていきます。そんなアンパンマンの初期の絵本をそれぞれ紹介していきますね。
「元祖」「原点」と言われてるのは、以下の3つの作品。
- アンパンマン(1969)
- それいけ!アンパンマン(1975)
- あんぱんまん(1976)
1969年|アンパンマン(PHP誌)
引用元:http://gogotsu.com/archives/22593
アンパンマンの原型となったのは、1969年にPHP誌で連載されていた「こどもの絵本」の第10回連載「アンパンマン」。連載のタイトルは「こどもの絵本」ですが、大人向けの読み物だったようです。※「十二の瞳」というタイトルで単行本化されています。
超初期のアンパンマンは、現在とは大きく違う点がいくつかあります。大きく違うのは、以下の3点。
- ①普通のおじさん
- ②応援はされず、バカにされていた
- ③最後は爆死してしまう
一番の違いは、アンパンマンが普通のおじさんだったという点。空を飛ぶことはできますが、「顔をちぎって与える」「アンパンチなどの必殺技」などは有していません。
小太りなおじさんが戦争で空腹になっている人々にパンを配り続けるという物語です。最終的には飛行機と間違われて、爆撃されてしまうという切ないラストを迎えてしまいます。
「バカにされている」など、色々と切ない設定を抱えている超初期のアンパンマン。詳しい初期設定を知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
アンパンマンは初期設定では、お腹を空かせた子供達にアンパンを配る中年のおじさんである。
— ためになる(?)雑学 (@tame_zatsugakku) 2015年9月27日
アンパンマンって初期設定がただパンくれるおじさんらしい
子供泣くぞw— 。。。 (@c_culun) 2014年12月3日
アンパンマンも初期設定は最後、
砲弾にあたり爆死、だったらしいですからね— マガタノオロチ(復活)@わさらー団 (@rR77KswLspUsFKh) 2018年4月28日
1975年|それいけ!アンパンマン(フレーベル館)
引用元:Amazon
1975年に発売された初期の絵本「それいけ!アンパンマン」。アニメでも同じみのタイトルですね。
アニメとは違い、アンパンマンは強くなく、むしろ弱い存在です。まだまだ人間らしさの残るアンパンマンですが、そこが魅力的でもあります。今とはちょっと違う雰囲気のアンパンマンを知りたい方はぜひチェックしてもらいたい絵本です。
ばいきんまんはまだ出てきません。優しいアンパンマンが活躍するほっこりする絵本です。
絵本読んだけど、やっぱ初期のアンパンマンは自己主張強いねぇ
自分で、それいけ!アンパンマーン!って言ってるし、休まずにパトロール行こうとしてるし、今以上に熱血だ…— か ち こ ち かっちん (@katikoti1) 2013年10月16日
1976年|あんぱんまん(フレーベル館)
引用元:Amazon
1976年に刊行された初期の絵本「あんぱんまん」。表記はカタカナではなく、ひらがなになっています。
上で紹介した超初期の「アンパンマン(1969)」とは違い、見た目は現在のアンパンマンにかなり近いですね。5本指、足が長いなどの違いはありますが、一目みて、アンパンマンだと分かる外見をしています。
絵本の中で、あんぱんまんはお腹を空かせた子供にパンを配っています。現在のアンパンマンとは違って、顔の半分以上を食べさせてあげていたようです。中には顔がすべて食べられてしまうという描写もあるみたいですね。
ばいきんまんなどの敵キャラクターは出てこず、あんぱんまんはただひたすらに人々を救っていきます。やなせたかしさんがあんぱんまんに込めたヒーロ像をストレートに感じることのできる絵本です。
絵本「あんぱんまん」のあとがきを引用して紹介しますね。
子どもたちとおんなじに、ぼくもスーパーマンや仮面ものが大好きなのですが、いつもふしぎにおもうのは、大格闘しても着ているものが破れないし汚れない、だれのためにたたかっているのか、よくわからないということです。
ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではないし、そして、そのためにかならず自分も深く傷つくものです。
引用:「あんぱんまん」1976
やなせたかしさんが、絵本「あんぱんまん」に込めたヒーロー像とは「カッコ悪いヒーロー」です。絵本の中のあんぱんまんは、マントは焦げだらけでボロボロ。
顔を失っている姿は、とてもカッコいい見た目とは思えません。でも、それこそがやなせ氏が思い描いた真のヒーローだということなのでしょうね。
わたしもこのシリーズ、初期設定のアンパンマンの絵本持ってたんだけど、アンパンマンなのにスタイルいいし、手に関してはちゃんと5本の指があるの。アニメを知ってから見るとちょっとしたホラー。2枚目は、僕の顔をお食べってやってる場面です pic.twitter.com/FjBPLeThqd
— もも (@kinacco1235) 2015年10月15日
1979年|あんぱんまんとばいきんまん(フレーベル館)
引用元:Amazon
アンパンマンの宿敵・ばいきんまんが初めて登場する初期の絵本「あんぱんまんとばいきんまん」。
初登場からばいきんまんはイタズラが大好きのようですね。外見も現在とほぼ変わりませんが、2本の角には、毛のようなものが生えていてちょっと気持ち悪いですね(笑)。
引用元:Twitter
ちなみに、この絵本ではパン工場がかなりのピンチに陥ります。ばいきんまんに対抗するため、ジャムおじさんはアンパンマンを強く強化します。絵本のカバー絵を見ても分かると思いますが、巨大なジャイアントアンパンマンとなってばいきんまんをやっつけます。
「やさしい」アンパンマンよりも、「つよい」アンパンマンを見ることのできる初期の絵本ですね。
アンパンマンは初期の「あんぱんまんとばいきんまん」が好きですね。ジャムおじさんが力にはより大きな力で立ち向かうとことか絶望的に現実の再生産で好感が持てます
— 二庫パイセン (@ARAINIKO) 2012年6月18日
1981年|アンパンマンのサンタクロース(フレーベル館)
引用元:Amazon
1981年に発売された、絵本「アンパンマンのサンタクロース」。今では定番となったアンパンマンのサンタクロースシリーズですね。
ばいきんまんをやっつける話ではなく、アンパンマンが子供たちにプレゼントして飛び回ります。プレゼントだけでなく、もちろん自分の顔を提供するというお馴染みの描写もあります。
現在のアンパンマンと違うところは、アンパンマンが優等生的な完全な存在ではないところ。調子に乗って失敗してしまう人間らしいアンパンマンをみることができます。
わたしが最近気に入ってる絵本は「アンパンマンのサンタクロース」です。
アンパンマンの話なのにバイキンマン出てこないし、アンパンマンがおっちょこちょいでかわいいです。息子は顔をあげるところでゲラゲラ笑います。#こんな時だからステキな絵本の話をしよう pic.twitter.com/jgurMvjyrw— ろーるちゃん (@rollchan9) 2018年2月6日
2013年|アンパンマンとリンゴぼうや(フレーベル館)
引用元:Amazon
2013年に発売された絵本「アンパンマンとリンゴぼうや」。映画「りんごぼうやとみんなの願い」の原作となった絵本ですね。
メロンパンナが登場したりと、初期の作品と比べると登場するキャラクターが増えているように感じます。ですが、やなせ氏の優しいタッチとストーリーは健在です。
初期の絵本が好きな人でも、好きな内容になっていると思います。映画版とは多少違う内容になっているので、映画とはまた違った楽しみ方ができると思います。
「りんごぼうやとみんなの願い」、原作絵本の「アンパンマンとリンゴぼうや」とはかなり違う内容のようだなあ。絵本では悪役はバイキンメカで割と平和的な内容だし、リンゴぼうやが故郷に戻るところで終了している。
— 藤山水光 (@orkun9198) 2014年4月12日